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What'sVoice Training What'sVoice Therapy
ヴォイストレーニングってなんだろう?実際なにをするんだろう?と思っている人は、 多いはず。それでも最近はかなり一般の人が知るようになってきた言葉ですね。 ちょっと前までは、声のプロやプロを目指す人だけが知っている言葉でしたし、そう いう人達だけが受けるものでした。 ヴォイストレーニングが知られるようになり、注目されるようになってきた背景には 「声」についての関心の高まりがあると思います。コミュニケーション手段としての 声です。 日本はもともと「コミュニケーション」を重視しない文化でした。「コミュニケーショ ン」とは相互に伝達し合うことですが、そもそもそういう日本語がないということが 非コミュケーション文化の象徴ですね。 伝達はしていたのですが「相互」より「一方通行」だったんじゃないでしょうか。 日本は、縦社会、男尊女卑社会が本音としてまかり通っていた国ですから、上から下へ はあっても「相互」に伝達することはあまりなかったんでしょうね。 島国で異文化がほとんど入って来ませんでしたから、以心伝心とかあうんの呼吸とかで ですんでしまう。「男は黙って・・・」というのもありました。黙ってないで伝えてほ しいですよね(笑) ところが最近は政治家も「あー、うー」じゃ済まなくなって来ました(笑) やっと日本もコミュニケーション能力が問われるようになってきたんですね。コミュニ ケーションには内容が重要なのはもちろんのことですが、声の要素が決めるものも、と ても大きいのです。人は誰でも無意識に声から多くの情報を受け取っています。アメリ カの言語学者メーラビアン氏は、人の第一印象に与える声の因子の影響力を調べていま すが、表情、態度の55%に続き、38%となっています。 コミュニケーションが重要視されるに比例して、声の悩みを持つ人が増えてきました。 特別声を使う仕事でなくても、プレゼンテーションやミーティングなどでしっかり話せ た方がいいに決まっていますね。声が小さい、通らないというご相談はとても多いです。 そういった時勢の中で、ヴォイストレーニングはもはや声の専門家のためだけのもので はなくなっています。とってもいいことだと思うんですよ。だって声は顔やスタイルと 同じくらい人の印象を決めるものだし、訓練でよりナチュラルで魅力的にすることが出 来るんですから。 ヴォイストレーニングを受ける理由は様々ですが、大きく2つに分かれます。1つは歌 がうまくなりたい人。これはもうプロやプロを目指す人から、音痴に悩んでいたり、と にかくカラオケで恥をかかない程度になりたいという人まで。 もう1つは、コミュニケーション能力のスキルを上げようというタイプです。声が小さ い、通らない、誤った発声や発音ため、仕事上差し障りがあったり、損をしたりしてい る人達ですね。 受ける理由は様々でも、基礎的なレッスンは同じです。 ヴォイストレーニングというと「あーあー」発声練習することですか?と聞かれること があります。・・・がっくりします(^_^;)。でもまあ、一般の人の認識は、まだそんなと ころなんでしょうね。 ヴォイストレーニングとは、発声のエネルギー源である呼気が楽器である身体を通して 声に変換され、咽頭周辺の発音器官において意味ある言葉や音になるまでのトータルな 流れを訓練することです。具体的にはしっかりした呼気を作るための腹式呼吸。歪みが なくリキミもなく正しい姿勢が取れて、柔軟性があり必要な筋肉がある身体作り。正し く綺麗な発音をするために、声の出口周辺の訓練etc。中でも重要なのは呼吸と身体作り で、特に歌の場合は発声の8割方がこれで決まってしまいます。話声の場合は、発音に 左右されるものが歌よりずっと多いので、歌より早く成果が出やすいと言えます。 呼吸と身体作りは、ちょっと時間がかかりますね。 腹式呼吸のマスターと身体作りには、たくさんのメリットがあります。発声のための腹 式呼吸は、平常時の腹式呼吸と違って意識的に腹筋背筋を使い肺活量を上げます。普通 呼吸の3倍以上と言われています。わかりやすく言うと3倍不要なものが出て行って、 3倍新しいものが入って来るわけですから、身体の中がきれいになるんですね。 身体作りで一番時間がかかるのは、大抵の場合リキミをとることです。人は無意識に、 肩や首、腕、鳩尾などに力を入れています。力んでいることに気づかず力んでいるんで すね。力をゆるめることが出来るようになると、肩こりや不眠から解放されます。 力まず正しい姿勢をとるのは、あるゆるスポーツの基本でもあります。 私はヴォイストレーニングのベーシックな部分は、静的なスポーツだと考えています。 実際、あんまり動かないのにかなり疲れるんですよ。 もちろん、スポーツばかりでなく「あーあー」発声練習もやります(笑)
ヴォイストレーニングにセラピーを取り入れている人は、まだ日本にあまりいないと思い ます。私は、自らヴォイスセラピストという新造語を作ってしまいました。特許登録はし ていませんから、どなたが名乗ってもかまいません^^;。私より先に名乗っていらっしゃる 方がいるかもしれないし。ヴォイスセラピストは、ヴォイストレーナーとしての基盤を確 立した上で、心理療法を取り入れていきます。セラピストである前に声の専門家なのです。 時々、ヴォイスヒーリングですか?というご質問を受けることがありますが、違います。 ヴォイスヒーリングは、ヒーラーが声を出すこと、あるいはヒーリーが声を出すことによ り行われるエネルギーワークですが、ヴォイスセラピーはあくまでヴォイストレーニング なのです。 声は、人の生身が楽器です。 楽器を演奏する人なら、楽器自体の質、楽器をいかに使いこなすかで、演奏がかなり決ま ってしまうということを知っていますね。10万円のヴァイオリンと1000万円のヴァイオリ ンでは、同じような腕前なら、即勝負はついてしまいます。1000万円のヴァイオリンでも 手入れを怠って、湿気てたり乾燥し過ぎてたりしては台無しですね。 声も同じです。でもご安心を。値段の差は、最初からそうあるわけではありません。 もちろん時々、ストラディヴァリもいますけどね、まぁ天才はどこの世界にもいますから 比較して落ち込むのはやめましょう(笑)。 楽器は、出来るだけよい状態にしておかなくてはなりません。まず身体ですね。健康で、 歪みがない、必要な筋力、必要な柔軟性がある身体。声帯の良し悪しを気にする人がいま すが、疾患がなければあまり気にすることはないでしょう。 ただ例えばクラシックのソプラノなど、特定のジャンルを目指す人には、声帯の長さや作 りがある程度関係してきます。 さてこれからが本題です。人は身体だけで生きているわけではありませんね。感情があり 心があり、その奥にspiritがあります。身体がいくら頑丈でも心が元気でなかったり曇って いたり閉ざされていたら、楽器として本来の力を発揮出来ません。 もちろん誰にでも、多かれ少なかれストレスやトラウマがあります。それがすべて、楽器 の機能を妨げるわけではありません。 発声に大きな影響を与えるのは、第一に自己表現に関係する問題です。声を出すことは、 自己表現なのです。自己表現がいやであろうと苦手であろうと、声を出したらもう自己表 現しているのです。自己表現が苦手、という人はとっても多いです。自分を表現すること って、自分を嫌っていたら難しいですよね。いやな自分は見せたくないですものね。 自分を見せたくない、見せたくないっ!って思っている人は、声が前に出ないのです。 ちょっと出して引き戻しているように聞こえます。声をのむ、とも言います。 誰にでもあてはまるわけではありませんが、発声に困難を伴う疾患を起こしやすい人も、 自己表現に関する問題を抱えていることが多いです。じゃあどうしたらいいの?と言われ そうですが、欠点も長所もある自分のすべてを認めて行く、愛して行く作業は、結局一人 一人が自分で一生かけてやっていくことだと思うのです。セラピストやヒーラーは、お手 伝い出来るだけです。私自身もずっと、この問題に取り組んでいます。 幼少時や思春期に、声について人に言われたことがトラウマになっている場合もあります。 声が汚い、とか変とか思いこんでしまうんですね。変声の時期などは、誰でも多少変にな るんですけどね(笑)。 私は生来の声に、良し悪し、美醜はないと思っています。あるのは個性だけです。 使い方を誤ったり酷使したりすれば悪声になるし、楽器の状態が良く保ち使い方が上手け れば、良い声なのはモチロンのことですけどね。 ヴァイオリンにはヴァイオリンの良さがあり、コントラバスにはコントラバスの良さがあ る。人は一人一人違いますから、無限のヴァリエーションがある。世界で一つの声なんで すよ。たとえば高い声が嫌いです、っていうのは、ヴァイオリンじゃなくてコントラバス になりたいってことなんです。神様が与えて下さった世界でたった一つの楽器を、大切に したいものですね。 心にバリアが少ない人は、声がストレートにこちらの心に入ります。本当にバリアがないな と思う人はとても少ないですけどね。 ヴォイストレーニングは、強力なセルフセラピーなのです。楽器としての身体を知り、育て、 自分のものにする(得てして、身体は私達の言ことを聞いてくれませんものね)プロセスは、 自分を見つめ、自分を知り、癒すプロセスでもあるのです。 セラピーという言葉は、単に「療法」という意味です。ヴォイスセラピーは、「発声療法」 ということになりますね。 必要に応じて、一般的な意味でのセラピスト的アプローチをすることもあります。 もう一つ。声を聞いただけで人がわかるんですか?という質問を受けることがあります。 そんな・・・超能力者じゃないんですから(笑)。ふだんはスイッチを切ってますしね。 でもスイッチが入ると、自己表現に関すること、葛藤やストレスが多いか少ないかは、わ かります。多分、心の耳で聴けば誰でもわかるんじゃないでしょうか?